「鬼滅の刃」のセリフで有名な「生殺与奪」という言葉。
読み方について話題になったりもしましたが、
実は、鬼滅の刃で読む/観る前から、
「生殺与奪」を知っていた人も少なくないはずなのです。
同じくジャンプ漫画である「るろうに剣心」に出てきましたから。
今回は、るろうに剣心(略して「るろ剣」とも)に出てきた
「生殺与奪」の概念について、紹介します。
以下、るろ剣のネタバレが含まれますので、ご了承くださる方のみどうぞ。
るろうに剣心における生殺与奪権
るろうに剣心という作品で出てきた「生殺与奪」ですが、
鬼滅の刃における「生殺与奪の権」と、少し違う面があります。
誰かの生き死にを自分の自由にできる、という点では同じではあるのですが。。。
【鬼滅の刃の生殺与奪のセリフに関する記事】 => 生殺与奪の権とは?なぜ他人に握らせてはダメなの?意味や読み方も
悠久山安慈が志々雄真実にもらった権利
るろうに剣心のキャラの「悠久山安慈(ゆうきゅうざんあんじ)」といえば、
鬼滅の刃の「悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)」と似ているという指摘がたくさんあることで有名ですね。
【関連】 => 悲鳴嶼行冥はるろうに剣心の安慈 (あんじ)と似てる?共通点を挙げてみる
るろうに剣心の物語は、明治の日本が舞台なのですが、
明治政府を倒して日本を支配しようという志々雄真実(ししおまこと)の野望を、
主人公である緋村剣心(ひむらけんしん)たちが止めようとして激しく戦います。
その志々雄真実が率いる、強力な戦闘力を持った集団「十本刀」の一人が、
元・和尚でもあった悠久山安慈でした。
十本刀は、志々雄のただの手下のような存在だけでなく、
それぞれに戦う理由を持っています。
また、十本刀としてともに戦う代わりに、交換条件を要求したメンバーもいます。
安慈和尚は、「生殺与奪の権利」を、
十本刀に加わるための条件として志々雄に要求し、
特権として手に入れていたのでした。
安慈が生殺与奪の権利を求めた理由は?
この、るろうに剣心という作品における「生殺与奪の権利」とは、
例え十本刀として出陣する際の命令として暗殺を指示されていたとしても、
相手の命を奪うかどうかは、安慈が自分の意志で決めてもいい、
というようなものでした。
そう、「相手の命を奪う権利」ではなく、見逃すことでいわば「相手に命を与える権利」なのです。
でも一体なぜ、このような権利を欲しがったのでしょうか?
明治政府を激しく憎んではいるものの、元々は仏を信じる善人である安慈は、
意味もなく他人の命を奪うことはしません。
政府を倒したい想いも、お寺で一緒に暮らしていた子どもたちの命を理不尽に奪われたことへの絶望から来るものでした。
だから、たとえ明治政府打倒のためであっても、
ときには罪のない弱者の命を奪うこともあるような「志々雄の破壊活動」には、
悠久山安慈和尚は、全面的には手を貸すことはないわけですね。
安慈による生殺与奪権の行使
実際にこの生殺与奪の特権を、安慈が使っている場面はあるのでしょうか?
もちろん、きっちりと描かれています。
「京都大火」という、志々雄一派の作戦の際に、
十本刀が、京都の町を襲撃したのですが、
その際に、安慈は生殺与奪の権利を志々雄から与えられていることを主張します。
京都大火の作戦は、京都の町の住民たちと、剣心たちの仲間となった「京都御庭番衆」たちの活躍によって、
襲撃者側が思うように進みませんでした。
そんな中で、京都御庭番衆を率いていた巻町操 (まきまちみさお)に、
十本刀の実力ナンバー2といわれる人物が襲いかかります。
この絶体絶命と思われた危機を救ったのが、悠久山安慈だったのでした。
巻町操はまだ16歳の少女だったので、その命を奪おうとするのを、
安慈は見過ごせなかったのですね。
かつて明治政府のせいで失った寺の子たちの一人が、そのくらいの年頃の少女でしたから、
許せるはずがありません。
「二重の極み」という素手なのに圧倒的な破壊力をもつわざで、
十本刀ナンバー2の魚沼宇水(うおぬまうすい)の槍を粉々にしました。
怒る宇水に、この行動は、生殺与奪の権利の行使であって、志々雄真実への裏切りではないことを主張します。
魚沼宇水も腹を立てたのでしょうが、実力ナンバー3とされる悠久山安慈が相手となれば、
簡単に手を出すわけにはいかず、その場は二人の戦いにならず。
そのまま志々雄一派の時間切れとなり、京都大火の目論見は失敗に終わります。
このようにして、生殺与奪の特権の行使が行われたのでした。
まとめ
【鬼滅の刃の生殺与奪についての考察も】 => 生殺与奪の権とは?なぜ他人に握らせてはダメなの?意味や読み方も
るろうに剣心という作品における「生殺与奪」についてまとめました。
- 安慈が十本刀に入る際もらった権利
- 命を奪う権利というより与える権利
- 実際に行使する場面も描かれている
るろ剣、鬼滅の刃、ともに面白い作品ですが、
同じ言葉が、それぞれ違った意味合いで出てくるのが興味深いですね。
また、安慈が宇水と対立する場面はとてもかっこいいですし、
結果的に京都を救った行動だったとも言えます。
るろうに剣心の中でも、屈指の名場面・名展開のように思いますので、
是非、るろ剣の漫画やアニメでご覧になってください。
【るろうに剣心の漫画を読む】
今回ご紹介したるろうに剣心の「京都大火」のエピソードは単行本12・13巻になります。
特に、12巻には、志々雄真実の甲鉄艦 「煉獄」で登場し、大迫力なのでオススメです。
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