漫画「キングダム」は、アニメ化や実写映画化もされ、人気の作品です。
コアなファンもたくさんいるキングダムですが、なぜか『つまらない』という声もありますね。
キングダムのアニメを気にいっていて漫画も読んでいるので、
個人的にはちょっと意外な気がしています。
ただ、調べて考えてみると、それなりの必然性もあるように思えてきます。
というわけで、キングダムはどうしてつまらないと言われてしまうのか、その理由についてみていきましょう。
史実に基づいた歴史もの
キングダムという作品は、今から2000年以上も昔の、中国の春秋戦国時代を舞台にしています。
現実の歴史の中の出来事(=史実)を題材にしたストーリーが展開されていく漫画です。
戦国時代に起こった、戦(いくさ)や政権争いなどが描かれています。
主要登場人物には架空のキャラクターも登場しますが、
政治家や武将など、歴史上の人物もたくさん出てきます。
また、一部例外もあるといえばある気もするのですが、
基本的には超常的な能力とか人外がしゃべったりとかはありません。
そのため、戦いのシーンなどは、とても緊張感をもって読めるようになっていて、
それがこの漫画の大きな魅力と言えるでしょう。
歴史上の人物に関するネタバレは回避不可
「キングダム」の世界では、実際の歴史上の記録と矛盾することは起きません。
漫画作品なので、創作要素は当然たくさんあるのですが、
あくまでそれは、歴史書に記録されていない部分に関しては自由にやっているだけであり、
大きな話の筋としては歴史の通りに進むわけですね。
騎馬隊などの戦いの迫力ある描写とスリリングさが素晴らしいキングダムですが、
史実を知っていると、困ったことになります。
実在した武将などの場合、いつ頃活躍したかがわかるので、
漫画ではどんなにハラハラした展開になっていたとしても、
『ここで死ぬことはないんだよな』とわかってしまいます。
これって、予めネタバレされた状態で読んでいるようなものなのです。
だから読者によっては、今一つ作品に入り込めず、冷めてしまう、というわけなのでしょう。
史実なんてわざわざ調べなければいいのに、と思うかもしれませんが、
キングダムのキャラたちに魅力を感じて熱心な読者になったら、
どうしても詳しく調べたくなってしまいますよね。
そして、一度調べたら最後、インターネット上にはたくさんの情報がみつかりますので、
史実に関する知識が身についてしまうことは避けられないのです。
それだけキングダムの登場人物たちは魅力的ですからね。
創作要素にリアリティを感じない
逆に、創作部分に関しては、漫画らしく、現実離れしていたりもします。
「山の民」や「ランカイ」などなど、人間とは思えない人たちが出てきたり。
武将たちも、戦闘能力があまりにも高すぎる人もいますし。
一人で敵陣に突撃して無傷で済んでしまうとか、いくら強い設定のキャラであっても、
不自然というか、非現実的すぎますからね。
そういうところにご都合主義的なものを感じてしまい、素直に楽しめない読者の方もおられるのだと思います。
キングダムの時代の史実に興味がある方には、「史記」がおすすめです!
呂不韋とかの話が出てくる、列伝2を、下記のリンクで案内しておきます。
まとめ
人気漫画「キングダム」について、つまらないと思われてしまう原因を考察してみました。
その原因として今回述べたのは、次の2つです。
- 史実ゆえに必然的なある種の「ネタバレ」
- 創作や戦闘の描写のリアリティのなさ
このような事情があるので、人によっては、
つまらなく感じてしまうこともあるのはしかたのないことかもしれません。
ただ、そういった若干の問題はあるとしても、
キングダム作中で作者が描こうとしているものを受け止めることで、
夢中で楽しむことができ、主人公たちと一緒に成長していくことができると思うので、
興味がある人には是非おすすめしたい漫画であることにかわりありません。
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