キングダムには、オリジナルキャラ(オリキャラ)がたくさん登場します。
歴史物におけるオリキャラというのは、歴史史料に登場する人物以外のキャラのことです。
そんな中でも、「山の民」の存在は際立っていますよね。
山の民の活躍するエピソードでは、迫力ある戦士たちがたくさん登場しましたからね。
また、実写映画では長澤まさみさんが山の民の王である楊端和(ようたんわ)を演じたことも、
とても話題性があって反響が大きかったと思います。
ここでは、山の民や楊端和の魅力や、史実との関係について説明します。
山の民とは?政の味方に!
キングダムの世界で、山の民の存在はとても大きいです。
ストーリー上も重要な役割を果たしています。
信たちが山の民に会いに行った理由
キングダムのストーリー序盤で、秦王・政は、
弟のクーデターによってピンチに陥っていました。
政側の陣営だけでは、王宮を取り返すのは厳しい情勢でした。
そこで、味方になってくれる戦力が急遽必要だったのです。
政は臣下の者たちや信・テンとともに、山の民に力になってくれるように、
頼みに行きました。
山の民の文明はすごい?
山の民という響きから、なんとなく、野蛮な印象をもってしまいがちかもしれません。
実際、男たちは上半身裸で原始的な格好をしていますし、
ちょっと(というよりかなり)こわいし、
武器とかもち歩いているので、凶暴な面はあるのかもしれません。
しかし、崖を登ってたどり着いた先には、
山の民たちのすごい建造物がありました。
そして、それをみた壁(へき)は、圧倒されていました。
壁は育ちのいい名門のエリートなので、その壁が驚くということは、
山の民たちの文明はおそるべきものだったといえそうです。
どうやら、ただの戦闘民族というわけではなさそうですね。
山の民は秦に迫害されていた?
しかし、山の民たちは秦王・政たちの一行を歓迎せず、
信たちを捕らえてしまったりします。
その理由は、秦国に対する不信感でした。
これは無理ないことで、遠い昔、秦と山の民は初めは友好関係にあったのに、
やがて秦国が山の民を迫害するようになってしまったからです。
信の言葉で味方に
政は、山の民の王である楊端和に、力を貸してくれるように頼みます。
いつもの理想を語るときの凛とした態度で語りかける政。
しかし、楊端和の心を動かすには足りません。
そこで、信が口を挟みます。
なんと、山の民たちに捕まった不利な状態にも関わらず、
楊端和を一喝。
これで心が動いたらしく、ついに味方してもらえることになりました。
これは心強い味方ですね!
山の民は弓矢にも屈しない!
山の民は、おそろしく戦闘力の高い民族です。
政たちの陣営は、彼らのおかげて王宮を、弟たちから取り返すことに成功します。
この王宮での戦いでは、一見して絶体絶命とも思える場面もありました。
弓矢をもった敵が大勢やってきたのです。
この状況に昌文君は、勝ち目がないので、一旦退却すべきと考えます。
しかし、楊端和の考えは全然違いました。
「矢ごときに屈する山の民ではない」と、
敵陣に切り込んでいきます。
当然、山の民の戦士たちは、弓矢に打たれてしまうのですが、
死んだかと思ったら、起き上がって反撃に転じます。
言葉の綾とかではなくて、本当に屈していないのだから、
ものすごい強い人たちです。
山の民や楊端和の史実は?
最後に、山の民や楊端和は実在したのか、史実はどうなのかについてです。
楊端和は史実にも登場
楊端和の名は「史記」に出てくるもので、秦の将軍として登場します。
なので、楊端和が秦王・政に力を貸したのは、史実である考えていいでしょう。
ただし、キングダムの楊端和の設定は、創作要素も大きいです。
というのは、史記には、楊端和が山の民のような異民族であるという記述はないためです。
きっと本当は、普通に秦の出身の人だったのでしょうね。
山の民は「野人」として歴史に登場
山の民という名称は、キングダムのオリジナルで、
史書でいう「野人」のことのようです。
というのは、キングダムに出てくる、秦国と山の民が友好関係になる
きっかけとなった逸話は、実際には秦国と「野人」の話だからです。
ここでいう「野人」というのは実は、身分の低い人々のことで、
キングダムの「山の民」のように、謎の高度な文明をもっていたり、
野生に近かったりということではありません。
ということで、楊端和も山の民も、史実に出てくるといえば出てくるのですが、
かなりキングダム特有のオリジナル設定の要素が強いようですね。
まとめ
今回は、キングダムの山の民についてでした。
謎に満ちた存在でありながら、とても強く頼もしい存在である彼ら。
魅力があふれていますね。
また、史実と創作をうまく織り混ぜて奥行きある設定を生み出している
作者の原泰久先生の手法にも関心してしまいますね。
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