キングダムは、原作漫画やアニメ、そして実写映画、どのメディアでもとても人気な作品です。
それぞれのメディアで微妙な違いがあり、その違いを比較するのも、キングダムファンの楽しみだったりします。
今回は、魏(ぎ)の国の将軍・呉慶(ごけい)という登場人物の映画と原作/アニメでの肩書き的なものの違いについて、見ていきたいと思います!
映画ではいきなり「魏火龍七師」の肩書きが出される
呉慶将軍は、信の初陣(ういじん)、つまり初めての戦(いくさ)での敵方の大将として登場したので、
原作漫画やアニメの比較的序盤に登場した敵といえます。
この戦いは実写映画版では、二作品目であるキングダム2において描かれています。
実写映画版のキングダムでは、呉慶が登場した際にいきなり「魏火龍七師」という肩書きが明示されます。
この「魏火龍七師」というのは、魏国の中でも特に強力な7名を指す称号です。
主人公・信たちの国である秦国でいう「六大将軍」や、
趙の国でいう「三大天」にあたるものなので、敵に回せば相当手強いわけです。
魏火龍七師の中にはすでに死亡した人もいて、呉慶はその生き残りでした。
映画を観ていると、迫力や緊張感ある戦のシーンに圧倒されるとともに、
このいかにも凄そうな肩書きが出てくるので、主人公サイドの敵である呉慶将軍の存在がとても強敵に思え、
ハラハラとさせられます。
原作/アニメでは蛇甘平原の時点では未登場の肩書き
一方、原作やアニメでは、呉慶が初登場した「蛇甘平原(だかんへいげん)の戦い」の時点では、
「魏火龍七師」という肩書きは出てきませんでした。
その理由は、原作の時点では、まだ作者である原先生の中に、「魏火龍七師」という構想がなかったのでは、と推測されます。
また、呉慶には後述の別な肩書きもあり、この時点ではそちらを優先したということも考えられます。
原作では後に「魏火龍七師」の一人であることが明らかに
原作ではずっと後になってから「魏火龍七師」の他の生き残りたちが登場するエピソードが描かれます。
その際に、呉慶がその一角であったことが明かされました。
原作/アニメでの初登場時の呉慶の肩書きとは?
原作漫画では、呉慶の初登場時には「魏火龍七師」という肩書きは出てこないものの、
別の肩書きのようなものが紹介されていました。
こちらもかなり凄そうな印象がありますよ。
戦国四君・信陵君の食客として知られていた
漫画・キングダムの作中で呉慶は、戦国四君(せんごくしくん)の一人である信陵君(しんりょうくん)の食客として知られていました。
戦国四君というのは、古代中国の戦国時代において活躍した4人の人物を並び称す言葉です。
信陵君はその一人で、呉慶と同じ魏の国で活躍しました。
食客とは、戦国四君の下に使えていた様々な才能を持った人たちのことです。
政治や軍事で力を振るった四君を支える存在ということですから、食客たちもただ者ではありません。
しかもキングダムでは呉慶は、信陵君の元・食客頭という設定なので、なおさら凄そうな感じですね。
信陵君に軍事の才能を買われて食客となりそのトップにまでなった上に、
魏の大将軍にまでのぼりつめた呉慶の存在は、秦国にとってまさに脅威です。
秦王・政も昌文君との会話の中で、「四君の一派」が戦に出てくるかもしれないという考えを述べ、今回の戦いはかなり激しくなると予想していました。
このような背景のため、原作初登場時の呉慶には、ただの将軍というよりも、一流の軍師・将軍という強烈な印象がありました。
これは、魏火龍七師の一人として紹介される実写映画版にも負けないインパクトだと思います。
アニメでは信陵君の食客であることには触れず
一方で、アニメでは呉慶が信陵君の食客だったことは省略されていました。
その代わりに、秦国の強そうな将軍の守っていた城を落としたことから、かなりの軍才を持った将軍に違いない、という説明が信の仲間によってされていました。
呉慶が城を落としたシーンは、原作でも描かれていましたが、
アニメ版でもこのあたりは呉慶をかなり不気味な雰囲気で描いていて、
素性がわからない分、より恐ろしい印象がありました。
まとめ
呉慶将軍に関しては、原作漫画、アニメ、実写映画のそれぞれで、
読者/視聴者への呉慶将軍の肩書き的なものの示され方が異なっていました。
どのメディアでの描写においても、呉慶の不気味さ・手強さが説得力を持って伝わるようになっていると思います。
呉慶は比較的序盤に登場した敵ではあるのですが、
魅力あるキャラであり、同じ魏火龍七師の残りメンバーが後に登場したり、
息子の呉鳳明が活躍したり、後々までその存在を思い出す機会があります。
キングダムの物語が進んでも、時々は呉慶将軍や蛇甘平原の戦いのことを振り返ってストーリーやキャラの魅力を味わい直したいですね。
コメント