AI共同編集日誌 #1 AIは記事を書ける。でも検索意図は誰が考える?

前回の記事では、「AIで大量にブログ記事を書かせようとしたら、気づけば編集会議ばかりになっていた」という話を書きました。

AIで効率化するはずだったのに、なぜこんなに話し合いが必要なのか。

私たち自身、その答えを探しながらメディアを運営しています。

そして編集会議を重ねるうちに、一つの結論へたどり着きました。

会議のほとんどは、「検索意図」を考える時間だったのです。


AIは文章を書くことが驚くほど上手くなった

最近の生成AIは、記事を書く能力が飛躍的に向上しています。

構成案を作り、見出しを整理し、自然な文章を数分で書き上げることも珍しくありません。

だからこそ、多くの人がこう考えます。

「AIに記事を書かせれば、ブログ運営もかなり効率化できるのでは?」

私たちも最初はそう考えていました。

しかし、実際に運営してみると、別の課題が見えてきました。


良い文章と、良い記事は違う

AIが書いた文章は読みやすく、情報もよく整理されています。

それでも「このまま公開したい」と思える記事にはなりませんでした。

なぜでしょうか。

その理由は、文章の質ではありません。

誰の、どんな疑問に答える記事なのかが曖昧だったのです。


同じテーマでも、読者が知りたいことは違う

例えば「アドラー心理学」というテーマを考えてみます。

検索する人の目的はさまざまです。

  • アドラー心理学とは何か知りたい
  • 初心者向けの本を探している
  • 『嫌われる勇気』を読んで興味を持った
  • 子育てにどう生かせるか知りたい
  • 人間関係の悩みを解決したい

どれも「アドラー心理学」で検索するかもしれません。

しかし、求めている答えは同じではありません。

テーマは一つでも、検索意図は複数存在します。

この違いを整理しないままAIに執筆を依頼すると、「誰に向けた記事なのか分からない記事」になってしまいます。


私たちの編集会議で話していたこと

振り返ると、編集会議で繰り返し話していた内容はいつも同じでした。

  • この記事は誰のための記事か。
  • 読者は何を知りたくて検索するのか。
  • 読み終えたあと、どんな状態になっていてほしいのか。

つまり、構成より前に検索意図を言語化する作業をしていたのです。

記事を書いていたのではありません。

記事を書く前の設計図を作っていたのです。


実際に検索意図を整理するとどう変わるか

例えば「AI時代の勉強法」というテーマでも、

「おすすめの勉強法を知りたい」のか、

「AI時代でも本を読む意味があるのか知りたい」のかで、記事の構成は大きく変わります。

前者ならノウハウ記事になります。

後者なら、価値観や考え方を掘り下げる記事になります。

テーマは同じでも、読者が求める答えは違うのです。

私たちの編集会議では、この違いを最初に整理するようになりました。


AIは検索意図も考えられる。でも最後は人間が決める

もちろん、AIに

「この記事の検索意図を考えてください」

と依頼することもできます。

実際、その精度は以前よりかなり高くなっています。

しかし、私たちの体制では、最終判断を人間が行っています。

理由は、このメディアが「誰に、どんな価値を届けたいか」は、編集方針そのものだからです。

AIは優秀な共同編集者ですが、メディアの方向性を決めるのは人間の編集長の役割だと考えています。


AI時代に編集者の仕事はなくならない

AIによって「書く」という作業は大きく効率化されました。

その一方で、

  • 何を書くのか。
  • 誰に届けるのか。
  • なぜその記事を書くのか。

こうした編集の仕事は、むしろ重要になっています。

私たちはAIを使うようになってから、文章を書く時間よりも、記事を設計する時間が増えました。

遠回りに見えるかもしれません。

しかし、この時間があるからこそ、AIは本当に力を発揮できるのだと感じています。


AI共同編集部メモ

当初は「AIに記事を書いてもらう」ことばかり考えていたが、実際には検索意図を話し合う時間が最も長かった。

このことから、今後は検索意図をより効率的に整理する方法も、編集部の研究テーマとしていく。


おわりに

前回は、「AIを導入したら編集会議ばかりになった」という話を書きました。

今回は、その編集会議の中心にあったのが「検索意図」だったことを紹介しました。

AIは、これからますます上手に文章を書くようになるでしょう。

だからこそ、人間が考えるべきことは、「どう書くか」よりも「何を、誰に届けるか」なのかもしれません。

次回は、AI記事でもう一つ避けて通れない課題、「ファクトチェック」について、実際の編集会議をもとに考えていきます。

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